ハードウェアレビュー:Itanium 2 搭載ワークステーション hp workstation zx2000

Introduction:Itaniumシリーズとは?


 ItaniumとはIntelの64-bitプロセッサのブランド名で、「アイテニアム」と読む。
 IPF(Itanium Processor Family)はIntelとhpの共同開発による「IA-64アーキテクチャ」をベースとしており、2003年12末現在までに「Itanium(開発コード:Merced)、「Itanium2(同:McKinley)」、廉価版の「Itanium2(同:Deerfield)」、「Itanium2 6M(同:Madison)」、低電圧版の「Itanium2 LV」、の5種類がリリースされている。
 ちなみに、IPFをまとめて「IA-64」と呼称するにあたり、Xeon以下の32-bit x86アーキテクチャを「IA-32」と呼称して区別するようになった。

初代ItaniumとItanium2
【写真】 左:初代Itanium(Merced)800MHz/2MB、右:Itanium2(McKinley)900MHz/1.5MB

 Itanium2(開発コード:McKinley)は、商業的に成功したとはいえない初代Itaniumを大幅に改良、システムバスの引き上げをはじめ、3次キャッシュのオンダイ化、メモリ帯域幅の拡張、実行ユニットの追加等を図り、初代Itaniumの1.5倍から2倍の処理速度を実現し、2002年7月に量産出荷が開始された。
 Itaniumは命令セットを設計し直し、IA-32のようなCISCやAlphaのようなRISCでもない、EPIC(Explicitly Parallel Instruction Computing)という新しいアーキテクチャを採用した。EPICの採用により、あらかじめ記述された並列実行命令をあたかもひとつの命令のように実行することができる。既存のIA-32命令の実行に関しては、IA-32デコードユニットと制御ユニット、IA-64と共用される実行ユニットが実装されているため、IA-32命令を実行することは可能である。IPFのIA-32実行命令速度はIA-32と比較すると遥かに遅く、既存のIA-32用命令との互換を保つ目的で実装されているに過ぎない。事実、intel自身がIPFでのIA-32命令の実行を推奨していない。2004年1月に「IA-32 Execution Layer(IA-32 EL)」というWindows用のIA-32バイナリを同クロックのXeon並に高速実行するためのソフトウェアがリリースされたが、ネイティヴIA-32の代役になるにはほど遠いというのが現状だ。

 初代ItaniumとItanium2は根本的にピン形状が大幅に異なっており【写真】、互いに物理的互換性はない。だが、初代Itanium上で開発されたアプリケーションはItanium2上でも動作し、初代Itanium上で動作させるよりも高速に稼動する。
 またIntelは、現行のItanium2プラットフォームを後継の第三世代IPFであるMadisonやその廉価版Deerfield、第四世代IPFであるMontecitoまで利用可能にすることを明らかにしており、Itanium2へのシステム投資を保護することによって普及を目指している。初代Itaniumとは異なり物理的互換性(ソケット形状)も維持され、最大消費電力も130Wで維持されるため、McKinley以降を搭載したシステムはMontecitoまでのシームレスなアップグレードが可能であり、実際に米国hpではzx2000用のアップグレードプロセッサモジュールの販売を行っている(日本国内ではアップグレードプロセッサモジュールのラインナップはない模様)。

 2002年7月9日にインテル株式会社から発表されたItanium2の単価(1000個ロット時)は、900MHz(L3キャッシュ 1.5MB)版が16万6250円となっており、ハイエンドサーバやワークステーション用のプロセッサとしては意外と安く、hp workstation zx2000や hp Integrity Server rx2600のように100万円を切る64-bitワークステーションやサーバも登場するようになった。
 とはいうものの、Itanium2搭載機が民生パソコン量販店に並ぶこともほとんどなく、対応する一般向け64-bitネイティヴアプリケーションも皆無に等しいことから、まだまだ一般ユーザには手を出しにくいプラットフォームであるのが実情だ。

 筆者は2003年夏のボーナスをぶち込んで新品のhp workstation zx2000を購入したので、今回はこのhp workstation zx2000を早速解体して中身を見ていくことにしよう。

最終更新日時:2004/01/27 17:02:24