ソフトウェアレビュー:Turbolinux 10 D2F...

Turbolinux 10 D2F... 速報レビュー



※ 製品に含まれない製品に関してはユーザ自身の手で入手/導入をする必要があります。



珠玉のソフトウェア 連載 第一回

■ Turbolinux 10 D2F... Product Review. ■

− クリアなライセンスで D・V・D!! も Windows Media も楽しめる新世代デスクトップ Linux −

文:電脳ぺんぎん(HMX.NET)   掲載環境:筆者私物




 Turbolinux 10 D2F...(以下D2F)は Turbolinux 10 Desktop(以下10D)を Turbolinux 10 F...(以下10F)環境にアップグレードする既存ユーザ向けの限定製品である。D2Fは圧倒的なまでのHigh Windowsabilityを実現した10Dに、ブロードバンド、マルチメディア機能を強化するためのパック製品となっている。今まで「暗黙の了解」で再生するしかなかった DVD、Windows Media を、商用ディストリビューションとしては初めて「クリアなライセンス」で再生する環境を実現した。また、人気のあるApple社の「iPod」との連携も実現させており、「ユーザに優しい」デスクトップLinuxとなっている。D2Fの魅力はこれだけではない。実は痒いところに手の届く細かいアップデートがかかっていたりするのだ。今回は魅力あふれるD2Fを速攻でレビューし、D2Fと10Fの購入の参考にしていただけたら幸いである。

D2Fの構成
20040528_d2f.jpg
 D2Fは2枚組となっており、1枚目は「10D2F...アップデートCD」、2枚目が「10D2F...アプリケーションCD」となっている。
 1枚目のアップデートCDは既存の「Update CD」の内容を含み、さらにUpdate CD移行に更新された修正及び強化された機能を含む内容となっている。
 2枚目のアプリケーションCDには以下のものが含まれる。

 ・Canon製最新BJプリンタ用フィルタ
 ・EPSON製最新プリンタ用ドライバ「Photo Image Print System」
 ・EPSON製スキャナユーティリティ「Image Scan! for Linux」
 ・gtkpod(iPod用通信ユーティリティ)
 ・PowerDVD for Linux
 ・Flash Player for Linux
 ・オープンプリンティングプロジェクト成果物
 ・J2SE+日本語対応アドオンパッケージ
 ・Turbo Media Player

 これに加えて既存システムのアップデートと機能強化が図られており、既存ユーザには非常においしいアップデートパッケージといえる。

D2F動作推奨環境
 動作推奨環境は以下のようになっている。

 ・プラットフォーム:PC/AT互換機
 ・CPU:PentiumIII 1GHz相当、またはそれ以上(smpにも対応)
 ・メモリ:512MB以上
 ・HDD:5GB以上のIDE/SCSIディスク
 ・ビデオカード:XFree86 4.3.0に対応したものでVGAの解像度以上
 ・マウス:USBまたはPS/2接続のポインティングデバイス
 ・その他:1.44MB FDD(USB接続は設定変更によりフル機能使用可)、CD-ROM(ATAPI/SCSI)、Ethernet板
 ・ストリーミング再生にはブロードバンド回線が必要

 以上のスペックを満たしていれば非常に快適に使用できる。もちろんそれを満たさない環境(PentiumIII-500MHz程度)でもそれなりに使うことは可能だ。

特記すべきアプリケーション群
・Cyberlink PowerDVD for Linux
 D・V・D!! D・V・D!! おまえの姉ちゃん次世代(ry
 というわけで(笑)市販のDVDを見るにはCSSと呼ばれる暗号化を解読しなければいけないのだが、この暗号解読にはライセンスが必要であり、ライセンスを取得したメーカーのDVDデコーダソフトを用ない限りDVDの鑑賞はできない。 しかしその暗号もDeCSSというソフトウェアで解読できるようになってしまい、作者が訴えられると言う事態が発生している。問題を起こさないよう事前対策をとったのであろう、TL10DにはこのCSSを解読するライブラリが同梱されていない。 そのため、市販のDVDを見る場合は暗黙の了解の上で別途 libdvdcss を使って kaffeine や mplayer 等で見るしか方法がなかった。 しかし今回、商用の PowerDVD for Linux で正式にライセンスを受けたことにより完全にクリアなライセンスでDVDを鑑賞できるようになった。また、音声フォーマットのパテント問題で音声が再生できなかったmpeg動画についても PowerDVD で再生できるようになったため、kaffeine に細工して使う必要も無くなったことは大きい。
・Turbo Media Player
 物自体は kaffeine そのものであるため、厳密に言うと追加アプリケーションではない。kaffein の0.4.2ベースの Turbolinux カスタマイズ版を Turbo Media Player としている。 今回 kaffeine という名前ではなく Turbo Media Player をいう名前になったように、Turbolinux で非常に特徴的な機能が追加された。それは Microsoft の Windows Media File の再生が可能になったことだ。 今までTL10Dで Windows Media File を再生するにはこれまた暗黙の了解で win32codecs という外部ライブラリを使い再生させる必要があった。 Turbolinux は Microsoft から正式に Windows Media File 再生のためのライセンスを受け、各種 Windows Media File のクリアなライセンスの元でLinux上で再生させることを実現した。 現時点でWindows Media Audio 9 Professional ベースのコンテンツ、会員登録の必要なコンテンツ、著作権管理されているコンテンツは再生することができないが、多くの Windows Media File のローカル再生、ストリーミング再生が可能だ。
・Macromedia Flash Player
 いままで手動で導入していたユーザも多いであろう Macromedia Flash Player が標準で同梱されるようになった。エンドユーザの利便性を考えるとうれしい限りだ。
・iPod用通信ユーティリティ
 人気のiPodとの連携ツールが同梱された。
d2f_gtkpod_01.png
 物自体は gtkpod だが、きちんと日本語化されているところがうれしい。iPodユーザにはうれしいアプリと言えるだろう。
・CD/DVDライティングソフト
d2f_k3b_01.png
 10Dの初期状態では「CD-R作成ソフト」だったK3bが「CD/DVDライティングソフト」としてバージョンアップ。CDはもちろんDVDへの書き込みにも対応し、K3bのバージョン自体かなり新しいものを載せてきた。

D2F での変更点
・USBやIEEE1394のブロックデバイスの表記変更
 D2F では USB や IEEE1394 のマウントポイントにハードウェアの持つ情報を使用するよう変更が加えられました。
d2f_devices_01.png
 USB や IEEE1394 機器などを接続した際に、10Dでは「/mnt/sdc1」のように表示されていたが、D2Fでは「/mnt/MMC_sdc1」のようになった。ハードウェア情報のないものは今まで通りのマウントポイント名になるようだ。 また、メディアの刺さっていないスロットは表示されないよう改良が加えられようだ。いままで「sda1はUSBメモリで、sdc1はCFで・・・」などとdmesgを見たり考えたりしていたのが直感的に分かるようになり便利になった。
・壁紙やメニューに表示される製品ロゴや収録ソフトウェアの名称変更
 アップグレードに伴い製品名が変わるため、アップデート後に表示される壁紙のロゴやメニューの製品ロゴが変更される。
d3f_menu_01.png
 アップデート後の標準の壁紙は明るい水色でマルチメディアをイメージした壁紙に、メニューからは「Desktop」の文字が外され、単に「turbolinux10」とだけに表記が変わった。
 10Dで「CD-R作成ソフト」だった k3b は「CD/DVDライティングソフト」に、「メディアプレーヤー」だった kaffeine は「Turboメディアプレーヤー(Mediaplayer)」と表示名が変更された。
・ログイン/ログアウト
 グラフィカルログインを使用しているユーザは、ログイン画面のパネルに表示される「実行」ボタンが「メニュー」ボタンに変更されているのに気がつくだろう。 今までは何を実行するのかいまいち意味不明だった実行ボタンが、メニューを表示させるという本来の意味をもってわかりやすくなった。細かい気配りである。
 ログアウトでは新たに「ログアウト」「停止」「再起動」の選択ができるようになった。これもまたちょっとした変更だが頻繁に使う項目だけに、この利便性は大きい。
・CDコピーや吸い出しの際のSCSIエミュレーションが不要になった
 10D では CD コピーや ISO イメージのための吸い出しは SCSI エミュレーションを必要としていたが、D2F では SCSI エミュレーション無しで CD コピーや ISO イメージの作成が可能になった。 いままで SCSI エミュレーションを行っていたユーザは、D2F アップデート後に SCSI エミュレーションをしないよう設定を行う必要があるので注意しよう。
 また、D2F では新たに atapidma というATAPI DMAイネーブラが導入された。
・マルチメディアファイルの関連づけの変更
 Ogg Vorbis、WAV などのファイルはデフォルトで Turbo Media Player に変更される。直接クリックで Turbo Media Player が起動する。

どのマルチメディアファイルが再生できるのか
 マルチメディアを強化した D2F だが、どのマルチメディアファイルが D2F のどのソフトで再生できるのかまとめてみた。
 ・ogg:Turbo Media Player、xmms
 ・mp3:RealPlayer
 ・wav:Turbo Media Player
 ・mpeg:PowerDVD
 ・DVD:PowerDVD
 ・avi:Turbo Media Player(codecの問題があり再生ができない物もある)
 ・rm:RealPlayer
 ・Flash:Macromedia Flash Player
 ・wma:Turbo Media Player(Windows Media Audio 9 Professional ベースのコンテンツ、会員登録の必要なコンテンツ、著作権管理されているコンテンツは再生することができない)
 ・wmv:Turbo Media Player(Windows Media Audio 9 Professional ベースのコンテンツ、会員登録の必要なコンテンツ、著作権管理されているコンテンツは再生することができない)
 以上のように D2F 標準で提供されるソフトでメジャーなフォーマットがカバーできている。できれば少ないソフトで多種のフォーマットを再生できれば最高なのだが、そのあたりはライセンスの話なども絡んでくるので難しいところなのだろう。とはいえ、一通りの再生ができる環境を提供した Turbolinux の配慮には感謝をしたい。

10D、10D Basic、10F、D2F、どれが買いなのか
 今回新たに 10F、D2F がリリースされ、それぞれのパッケージ毎に異なる部分もありラインナップが増えて迷うユーザもいるはずだ。機能と用途について簡単に紹介しておこう。製品選択の際の参考にしていただきたい。

Turbolinux 10 F...
 マルチメディア機能強化版。初心者から上級者の全てのユーザ向け。商用ソフトも同梱されており、これ一本で一通りのことができる。クリアなライセンスでマルチメディアコンテンツを楽しみたい人、新規でTurbolinux10を使いたい人におすすめの製品。
Turbolinux 10 D2F...
 Turbolinux 10 Desktop 既存ユーザ向けのアップグレード版で登録ユーザのみの販売。10D と 10F... の差分を納めたパッケージと言える。
Turbolinux 10 Desktop
 インターネットのやオフィススイートを利用するユーザ向け。または足りない部分を自分でどうにかできるユーザや開発者向け。
Turbolinux 10 Desktop Basic
 基本機能のみの提供。とりあえず体験してみたい人や基本機能さえあればあとは自分でどうにかできるパワーユーザ/開発者向け。Basicユーザ向けに10Dの優待販売も行っているので、使い込んで物足りなくなったらアップグレードするのも良いだろう。
Turbolinux 10 Desktop 評価版
 Turbolinux 10 Desktop をとりあえず体験してみたい人、動作確認してから買いたい人向け。評価版なので商用フォントのフル版やrpmによるアップデートができないなどの制限もあるが、体験するにはちょうどよいだろう。評価版からの優待販売も行っている。

注意点
 ※ 製品に VMware for Linux、マブラヴ、Windows 2000 Professional、ことり文字ふぉんと、Meたんskin、VNC、OpenOffice.orgは含まれません。別途導入してください。
 ※ 本記事の内容に関して Turbolinux に質問することはおやめください。
 ※ 本記事の内容は無保証です。間違っていてもお咎め無しと言うことで(苦笑


最終更新日時:2004/05/28 12:53:30